組織エンゲージメント 4タイプ 分析③
~タイプ別に見る離職意思と離職防止のヒント~
掲載日:2026/07/27
従業員の離職は企業にとって大きな経営課題です。本コラムでは、組織エンゲージメント4タイプにおける「離職意思」の傾向を分析し、離職防止策について考察します。
なお、4タイプの違いについては、3回シリーズ(「①従業員の実態」「②会社推奨度」「③離職意思」)でご紹介しています(NEOS-Engagement 開発時のデータを用いて、集計・考察)。
組織エンゲージメント4タイプ別「離職意思者」の割合
「離職意思」は、従業員が「他の会社に、よく変わりたいと思うか」について、「思う」「どちらともいえない」「思わない」で評価したものです。
全体でみると、離職意識がある従業員は約27%で、就業を継続したい従業員は約44%という結果でした。また、タイプ別の「離職意思がある従業員(離職意思率)」と「就業を継続したい従業員(継続就業意思率)」の割合は以下の通りです。
| タイプ | 離職意思率 | 継続就業意思率 |
|---|---|---|
| 全体 | 約27% | 約44% |
| いきいきタイプ | 約9% | 約66% |
| いたばさみ タイプ | 約30% | 約30% |
| ゆとり タイプ | 約23% | 約43% |
| へとへと タイプ | 約59% | 約16% |
タイプごとの離職防止策例
上記の結果から、タイプによって、「離職意思がある従業員」と「就業を継続したい従業員」の割合が大きく異なることが分かりました。これらのことから、従業員全体へ対する一律の施策だけでなく、タイプ別の施策実行の必要性が示唆されます。そこで、以下の表に、タイプ別の特徴と離職防止施策例をまとめました。
| タイプ | 特長 | 離職防止策例 | タイプ共通の配慮事項 |
|---|---|---|---|
| いきいき タイプ |
・意欲的な継続就業者が多い。 ・キャリアアップ志向での転職検討者が少数ながら存在 |
・更なるキャリアアップ機会の提供 ・チャレンジの推奨・支援 |
結婚、育児、介護など仕事以外の要因で離職を考える従業員も存在します。 柔軟な勤務制度や各種支援策の導入も不可欠です。 |
| いたばさみ タイプ | ・やりがいとプレッシャー(ストレス)の間で、離職と継続就業の葛藤を抱えやすい | ・業務負荷の軽減 ・ポジティブフィードバックによる承認 ・職場の心理的安全の確保 |
|
| ゆとり タイプ | ・やりがいを感じられず、離職希望。 ・活力が低いのに、継続就業を希望。「フリーライダー」「静かな退職」 |
・役割変更やジョブローテーションによるやりがい創出 ・組織貢献意欲の醸成 |
|
| へとへと タイプ | ・ストレス蓄積とやりがい低下で、離職リスクが極めて高い | ・早期のメンタルヘルス支援 ・業務改善や働き方改革の推進でストレス軽減 |
最後に
「仕事への活力」と「ストレス・フリー」という2つの軸に着目し、
4タイプ別の「①従業員の実態」「②会社推奨度」「③離職意思」の違いについてご紹介いたしました。
本コラムの内容が、みなさまの施策立案・実行の一助となれば幸いです。
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執筆者紹介
(株)日本経営協会総合研究所 主任研究員 児島 健
修士課程(教育心理学)修了後、人材・教育サービス業を経て、(株)日本経営協会総合研究所に入社。現在は、主に従業員意識調査、コンプライアンス意識調査、エンゲージメント・サーベイを担当。調査から得られる数値情報を基に、各企業の組織改善のための指導・支援を行っている。
国家資格キャリアコンサルタント。