サービス導入の成果
サービス導入のポイント
- 県の電子申請システムではなく、Be-Smartを導入
- 自然災害による影響を軽減するためのテストセンター方式試験導入
- 採用にかかる費用の抑制
内部で行っていた採用事務の作業負担と、年々減少傾向にある受験者数という二つの課題に対して、抜本的な見直しを行いました。
近年の採用試験について、傾向と課題を教えてください
もともと書類提出の段階から採用選考は始まっているという考えから、受付は直接窓口へ持参していただいていました。1次試験および適性検査については外部業者に問題作成を委託し、会場の設営から運営、採点まではすべて自前で行っていましたので、試験を1日で行い、当日中に採点して公表まで行わなければならず、膨大な事務作業の負担が大きくなっていました。
また、受験者数が年々減少傾向で、令和元年度には事務職の応募者数が100数名程度まで落ち込みました。業務の効率化と応募者数の確保に課題を感じていたところでしたので、新型コロナウイルスの影響もあり採用業務の抜本的な見直しを図りました。
Be-Smartを導入された経緯を教えてください
採用業務の効率化にあたり電子申請システムの活用も検討しましたが、あくまでも申請を受け付けるシステムのため、受付がメインになります。写真付きの受験票や面接用のレジュメ等は自前で作成しなければならず、結果として従前窓口で受け付けしていたものが電子化されるだけで、それ以外の業務が大幅に変わるわけではないと判断しました。中途半端に電子化するよりも受付から最終の合格通知まで一連の業務を電子化したいと考え、Be-Smartを選びました。
テストセンター方式とWeb方式を導入したきっかけは何ですか
採用試験の実施時期は台風や大雨が多いので常に災害の心配をしていました。そのため自然災害による影響を低減できるテストセンターでの試験を検討しました。テストセンター方式の試験を実施するにあたり複数の事業者の情報を収集しましたが、NOMA総研のテストセンター会場は全国に280か所あるため、遠方の受験者が受検しやすく、より多くの受験機会を確保できると考えました。またコロナ禍でも運営でき、集団感染のリスクを軽減できるうえ、会場での受検により本人確認できる点が大きな決め手になりました。
導入後の効果に関しては、いかがでしょうか
採用にかかる費用を大幅に抑えることができました。従前は連絡や試験結果の通知をすべて紙で行っていましたが、その郵送コストが0になりました。また、試験の運営や受験者情報の整理、試験案内や合否通知の郵送に多くの作業時間を費やしていましたが、それにかかる人件費も削減できたのでテストセンター利用料やシステム利用料と比較しても十分採算が取れました。
そして、近年は応募者数の減少が課題でしたが、Be-SmartとSCOAの導入により令和2年度の事務職の応募者数は約3倍、専門職は約2.1倍、全職種での競争率は約2.4倍に増えました。さらに、1次試験の会場設営や人員の配置についての負担がなくなったことにより、年間に複数回、必要に応じて採用試験を実施できるようになったことも大きな利点だと思います。
Be-Smartで特に便利だと思う機能はございますか
写真付きの面接用資料が自動作成できる点です。今までは受験者が履歴書に添付している写真をすべてスキャンし、カラープリントをして加工していました。Be-Smartでは資料に反映させる項目を自由に設定できるため、瞬時に必要な資料が作成できるので非常に便利です。また、テストセンターやWeb試験のシステム連携もとても便利だと思います。Be-SmartからダウンロードしたデータをテストセンターやWeb試験のシステムへ取り込む際に無駄な作業がなくなり、結果も自動でBe-Smartに反映されるため、情報の入力ミスの心配もなく業務の効率化につながっています。
令和2年度からSCOAに切り替えた結果はいかがですか
パーソナリティ SCOA-Bの結果はグラフやレーダーチャートで視覚的にわかりやすいので、面接展開シートと併せてそのまま面接に使用しています。特にストレス傾向を確認できる備考欄は注意して見ています。単に試験を実施するだけでなく、今後はSCOA-Bを活用して内定後のフォローにも活用したいと考えています。コロナの影響で集団討論ができないので、動画選考など学力検査以外でも多角的に受験者を見る選考も模索していきたいです。
採用の課題と展望を教えてください
専門職の応募が少ないことが最大の課題です。現在は資格要件を絞って専門試験は実施していないので応募者数を増やし、優秀な人材を確保するために今後は資格要件の緩和など効果的な方法を検討しています。また事務職も含め、公務員志望ではない方をどのように取り込んでいくかを検討する必要があると感じており、採用試験だけでなく受験者に注目してもらうための広報活動も模索しています。
今年の新たな試みとしては、県内でも最大規模の駅のデジタルサイネージを活用して採用情報をPRしたことです。併せてブンナビ公務員も活用し、民間企業志望者の取り込みや専門職の応募者確保のため広報活動にも力を入れていきたいです。