「人的資本」と「エンゲージメント」
掲載日:2025/11/21
近年、企業経営において「エンゲージメント」が注目されています。その背景には、「人的資本」の情報開示が、2023年3月期決算より、有価証券報告書を発行している大手企業約4,000社に義務化されたことがあります。
本コラムでは、「人的資本」と「エンゲージメント」について、簡潔に説明します。
「人的資本」とは
「人的資本」とは、知識やスキル、経験などをもって生産力や経済活動に価値をもたらす「人」を「資本」とみなす考え方で、企業の持続的な成長性を見極める視点として注目されています。
日本では、2023年1月31日に「企業内容等の開示に関する内閣府令」等が改正され、「人的資本」の情報開示が、2023年3月期決算より、有価証券報告書を発行している大手企業約4,000社に義務化されました。なお、ISO30414等の複数の外部基準においても「人的資本」は開示が求められています。
また、2022年8月に内閣官房が公表した「人的資本可視化指針※」では、以下の7分野19項目について、情報開示が求められています。
※「人的資本可視化指針」とは、人的資本を可視化するために、情報開示がどうあるべきかを明確化したものです。
人的資本可視化指針の7分野19項目
| 分野 | 項目 |
|---|---|
| 1. 人材育成 | ① リーダーシップ ② 育成 ③ スキル/経験 |
| 2. 従業員エンゲージメント | ④ 従業員エンゲージメント |
| 3. 流動性 | ⑤ 採用 ⑥ 維持 ⑦ サクセッション(後継者育成) |
| 4. ダイバーシティ | ⑧ ダイバーシティ ⑨ 非差別 ⑩ 育児休業 |
| 5. 健康・安全 | ⑪ 精神的健康 ⑫ 身体的健康 ⑬ 安全 |
| 6. 労働慣行分野 | ⑭ 労働慣行 ⑮ 児童労働/強制労働 ⑯ 賃金の公正性 ⑰ 福利厚生 ⑱ 組合との関係 |
| 7. コンプライアンス分野 | ⑲ コンプライアンス/倫理 |
エンゲージメント・サーベイ NEOS-Engagementでは、
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人的資本の情報開示をサポートします。
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執筆者紹介
(株)日本経営協会総合研究所 主任研究員 児島 健
修士課程(教育心理学)修了後、人材・教育サービス業を経て、(株)日本経営協会総合研究所に入社。現在は、主に従業員意識調査、コンプライアンス意識調査、エンゲージメント・サーベイを担当。調査から得られる数値情報を基に、各企業の組織改善のための指導・支援を行っている。
国家資格キャリアコンサルタント。