主体的な仕事への取り組み「ジョブ・クラフティング」

掲載日:2025/11/21

ジョブ・クラフティングとは|主体的な働き方がエンゲージメントを高める理由

「エンゲージメント」を向上させる要因として、近年「ジョブ・クラフティング」が注目されています。また、従業員一人ひとりが主体的に仕事への取り組み方を工夫・変更することで、「生産性の向上」や「新しいアイデアの創出」などポジティブな影響が期待されています。

本コラムでは、「ジョブ・クラフティング」の概念について、簡潔に説明します。

「ジョブ・クラフティング 」とは

ジョブ・クラフティングとは、「仕事へ対するかかわり方」についての概念で、「個人が自らの仕事のタスク境界もしくは 関係的境界において行う物理的・認知的変化(Wrzesniewski & Dutton, 2001)」と定義され、次の3つに整理されています。

  • 1.タスク・クラフティング
  • 2.関係性クラフティング
  • 3.認知的クラフティング
種類 定義 具体的には
1. タスク・クラフティング タスク境界(task boundary)の変更を指し、具体的な仕事の内容や方法を変更すること。 タスク(仕事の基礎単位)の量や内容・方法などを、自ら変更することで、タスクの変更だけでなく、個人における仕事上の経験を変えることにつながる。
2. 関係性クラフティング 他者との関係性もしくは相互作用に関する境界(relational boundary)を変更すること。 タスクを遂行する上で、関わり合いのある他者(同僚・顧客など)との関係性を増やしたり、その質を変えたりすること。
3. 認知的クラフティング 認知的な境界を変化させること。 タスクの変更や他者との関係性の変化がなくても、個々のタスクや仕事全体について、捉え方(認識)を変えること。

エンゲージメント・サーベイ NEOS-Engagementにおけるジョブ・クラフティング

エンゲージメント・サーベイ NEOS-Engagementでは、「1.タスク・クラフティング」「2.関係性クラフティング」「3.認知的クラフティング」に加え、「4.回避的クラフティング」についても測定します。

  • 4.回避的クラフティング
種類 定義 具体的には
4.回避的クラフティング 仕事の役割や負荷を回避するような目的で仕事を改変しようとすること(境界を縮小しようとするもの)。 望ましくない状態性を避けるため、ストレス源となるものとの関係性を低減させ(回避)、ストレス反応を減少させようとすること。

「エンゲージメント」向上のためには、従業員一人ひとりが「1.タスク・クラフティング」「2.関係性クラフティング」「3.認知的クラフティング」を発揮できるような「職場環境の整備」や「マネジメント」が求められます。
一方で、「4.回避的クラフティング」を発揮する状況は、「エンゲージメント」を低下させることが分かっており、「4.回避的クラフティング」を発揮しなくても良い「職場環境の整備」や「マネジメント」が求めれます。

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執筆者紹介

(株)日本経営協会総合研究所 主任研究員 児島 健

修士課程(教育心理学)修了後、人材・教育サービス業を経て、(株)日本経営協会総合研究所に入社。現在は、主に従業員意識調査、コンプライアンス意識調査、エンゲージメント・サーベイを担当。調査から得られる数値情報を基に、各企業の組織改善のための指導・支援を行っている。
国家資格キャリアコンサルタント。

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