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第6回 自己受容と他者受容

掲載日:2018/07/10

第5回では、他者に対して寛容でいられない理由として、「自尊感情」の低さがあることを示した。「自尊感情」を高めるためには、「自己受容と他者受容」が必要である。「自己受容と他者受容は正比例する」とよく言われるが、「自己受容」とは何だろうか。「自己受容」とは、読んで字のごとく、自分のありのままを受け入れることである。
あなたは、以下の3点が説明できるだろうか。

  • 自分が他者とどのように違うのか
  • 自分の得意不得意は何か
  • 世の中からみた、自分の性格・パーソナリティを正しく位置づけできているだろうか

まずは、「あなた」「あなたの上司」「あなたの苦手な部下」を客観的に評価してみよう。

「あなた」
3本とも「0(ゼロ)」に○をつけた人が多いのではないだろうか。自分を中心に、他者を判断していないだろうか。他者の意見やアドバイスを素直に聴き、自分を客観的に見ることを心がけよう。

「あなたの上司」「あなたの苦手な部下」
○がついた場所が、自分自身と真逆になっていないだろうか。自分との違いを客観的に判断できているだろうか。同僚も何人か評価してみて、程度の強弱を確認してみよう。

以上のように、自分だけでなく他者を客観的に評価するのは、非常に難しい。性格・パーソナリティに「良し悪し」「優劣」はない。上記は、「クレッチマーの性格類型」を示したものであるが、機会があれば、各種の「性格診断」を受けてみるのも一案である。自己をありのまま受容することが、健全な自尊感情を育む。自分を理解できれば、他者を理解できるようになる。しかし、たいていの人が「自分が思う自分像」と「他者が思うあなた像」のズレがあり、そのズレが大きければ大きいほど、相互理解が進みづらい。上司になる立場の人こそ、まず『自己受容』が求められる。職場の人となりを知り、信頼関係を構築することが、『ダイバーシティ推進』の早道であるが、どうしたら自己理解と他者理解を進められるだろうか。

次回は、「ジョハリの窓」を活用した自己理解と他者理解の方法を紹介する予定です。

第6回のまとめ

  • 「自尊感情」を高めるためには、「自己受容と他者受容」が必要である。「自己受容と他者受容は正比例する」と言われる。「自己受容」とは、自分のありのままを受け入れることである。
  • 上司になる立場の人こそ、まず『自己受容』が求められる。職場の人となりを知り、信頼関係を構築することが、『ダイバーシティ推進』の早道である。

執筆者紹介

(株)日本経営協会総合研究所 主席研究員 山根 郁子

(株)日本経営協会総合研究所 主席研究員 山根 郁子

奈良女子大学文学部卒業後、大手サービス業にて支社勤務を経て、経営企画、内部監査を担当。同社退社後、(株)日本経営協会総合研究所に入社。主に従業員意識調査、コンプライアンス意識調査、ダイバーシティ意識調査、パワハラ実態調査を担当。内部監査の経験を生かし、仕組みや制度にとどまらない、健全な組織風土と個人の自律を支援している。筑波大学大学院人間総合科学研究科修了。修士(カウンセリング)。
公認不正検査士(CFE) 経営倫理士(第15期) 産業カウンセラー

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