
コロナ禍における採用試験を模索して
コロナ禍における採用試験を模索して
当市では近年、受験者数が減少傾向にあり。直近5年間(平成27年から令和元年)の応募者数を見ると、事務職は10名の枠に平均70名程度、少ないときは55名程度の状況が続いておりました。また、従来は申込書を窓口で手渡ししていたため受付期間中、職員は休日勤務をする必要がありました。加えて、申込情報の管理のためにエクセル入力や内容の確認など担当者に大きな業務負担がかかっておりました。さらに土木職、建築職、保健師などの専門職の応募者確保も課題でした。窓口持参の申込方法の場合、応募者が限定されるため解決策を模索しておりました。
上記に加え、新型コロナウイルス感染症が流行し始めていた時期でしたので、安全に試験を実施しなければならないという課題も発生いたしました。長時間集合して筆記試験をすることによる感染リスクの増加が懸念されておりました。他社の試験も検討いたしましたがNOMA総研のBe-Smartはテストセンター方式やWeb方式の試験と連携していることもあり、業務負担と感染リスクの軽減、応募者数の増加に有効だと思い導入いたしました。
テストセンターでの一次試験受検の前に実施することで、予算を抑えながら総合的に受験者の能力を測定することを目的として導入いたしました。Web TAPOCは一般的なスマートフォンやPCからいつでもどこでも受験できることに魅力を感じましたが、内容や効果は不透明でした。そのため、事前に複数の職員がサンプル受検を行い有効性を検証いたしました。その結果、受験生の能力を測定するのに十分な指標になると考え、導入いたしました。
Web TAPOCの特性上、カンニングなどの不正は難しいと思います。また、Web TAPOCの後にテストセンター方式でSCOAを実施しており、Web TAPOCはあくまでも一つの指標として見ております。替え玉受検は完全に防止することはできませんが、そこまで大きな心配はありませんでした。
選考フロー大きく変えるにあたり、導入の効果を財政部門へ示す必要がありました。応募者数が伸び悩んでいた原因について分析した結果、課題解決のためには新たな方法を取り入れることが必須だと感じました。Be-SmartやSCOAの導入により課題を解決できるという自信がありましたので財政部門へ強く推薦いたしました。
応募者数が約4.4倍に増えました。また、UIJターンをはじめとする全国からの応募も多数あり、期待以上の効果がありました。従来の課題であった採用事務についても、ペーパーレスや休日勤務の削減を実現することができました。採用フローの変更に伴い、実質的な予算は増加いたしましたが、それ以上に目に見えないコストを大幅に削減することができました。さらに、それにより捻出された時間で広報活動を積極的に行うことができました。
新型コロナウイルス感染症の拡大の影響もあり、自治体の採用環境は次のステージに進んだと感じております。非接触や人流抑制を基本としつつ、withコロナを前提とした採用事務を考えていかなければなりません。さらに採用分野に限らず、デジタルトランスフォーメーションが自治体でも加速しておりますので、世の中のスタンダードに後れを取らないようにする必要があると感じております。一方で、当市では対面での選考も重視したいと考えております。受験者の負担が少ない選考方法を取りつつ、採用業務の効率化を考えていく必要がありますので、今後も新しい方法を模索していきたいと思います。
更新日:2022/03/01
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