従業員意識調査『NEOS』とコンプライアンス意識調査には、双方に共通する項目というのがいくつかある。例えば、人事の公平性に関するものもその一つで、組織の活性化や不正を起こさせない風土づくりを進める上で必要なピースであるものの、そこに不公平感や不満感を感じる者は多い。今回は、その中の項目から「昇進・昇格の公平感」を取り上げ、改善に向けた取り組みについて考えてみたい。
年功序列や終身雇用の崩壊など、企業を取り巻く環境が変化する中、職能資格制度についてはさまざまな問題が指摘されているものの、依然として導入している企業は多い。制度についての説明は今回割愛するが、資格等級や職位が上がるかどうかは、給与・賞与に関わる問題でもあり、それ故不満も溜まりやすい。特に、職場内で中心的な役割を果たすことも多い30代の中堅層にとっては、私生活での結婚や子育てなどもあり、処遇に対する不満を抱きやすい。自身の職務遂行能力や日々の行動がどのように評価されたのかが曖昧になってしまうと、社員のモチベーションを下げることにもなりかねない。もちろん、100%公平な処遇というのは存在しないが、それに近づけるためのヒントとなる分析結果を(表1)に示したのでご覧いただきたい。
項目 |
分野 |
該当社数 |
能力の計画的育成 | 人材育成 | 5社/5社中 |
個人面談 | 上司の関係構築機能 | 3社/5社中 |
仲間の評価 | 上司の関係構築機能 | 3社/5社中 |
適切な企画・立案 | 上司の管理能力 | 3社/5社中 |
合理的な仕事の割当 | 上司の管理能力 | 3社/5社中 |
本社と拠点間のコミュニケーション | 本社と拠点との関係 | 3社/5社中 |